キングダム 646感想&647考察予想 李牧は雁門へ 再起を促すのは信か

キングダム
引用:キングダム 56巻 表紙

結局、今回も描かれなかった悼襄王(とうじょうおう)暗殺の犯人。

このあたりはもう有耶無耶になるんでしょうか。

さらに王位を継承した遷や江姫についても描かれませんでした。

2人がどういう人物で、彼らの狙いは何なのか、徐々に明らかにされることを期待します。

今週の最新646話『雁門以来』では、李牧と嘉太子の邯鄲脱出をフォーカスした内容で、

珍しく挫折した李牧を見ることができます。

王位継承の異変を受けての秦軍の動きと合わせ、646話を振り返りつつ、647話以降の予想を書いていきます。

 

※当サイトでは、最新話までのキングダム本編と物語のベースとなる史記などの情報に基づき、

筆者の考察や予想を展開していきます。

ヤングジャンプ連載の最新話までの内容を含みますので、未読の方はネタバレにご注意ください。

 

兄と同じく仕事が早い遷

冒頭は王位継承を嘉太子ではなく末子の遷にする旨の遺言を受け入れられない嘉太子・李牧一派が刺客に襲われるところ。

李牧たちは外の傅抵(ふてい)たちと合流して邯鄲を脱出するつもりです。

刺客を送り込んだのは郭開(かくかい)・末子遷一党とみられます。

父王が死亡してすぐに地下の賢人たちを解放した嘉太子と同じく、王位継承権が自分にあることが分かるとすぐに政敵を始末しようとするなど、行動に移すのが早いです。

 

対立構図が政vs成蟜と同じ

対趙の前線にいる飛信隊。

王位に就いたのは太子ではなく末子であることを知り、秦軍は再び前線を上げようとしています。

李牧を死刑にしようとしたと思えば、助けて、今度はまた殺そうとしている趙に対し、

「何やってんだ」とツッコミをいれる信と同じく、外から見ていたら全くその通りで訳が分からなくなるのも無理はありません。

そんな李牧は信だけでなく蒙恬にも同情される始末。

一方、邯鄲では、末子遷一党の手により至る所で嘉太子・李牧派の人たちの死体が横たわっていて、暗く重苦しい雰囲気が漂っています。

一党を束ねているのは遷の庇護者となった郭開でした。

2代続けて甘い蜜を吸えるポジションを確保できた郭開ですが、一体彼のどこに魅力があるのでしょうか。

悼襄王の死去直後に近衛兵を自分の思い通りに従わすこともできない程度の郭開に対し、遷・江姫は何を期待して郭開に任せているのでしょうか。彼の優れた手腕が発揮される日が来ればまだ納得できるのですが……。

河了貂(かりょうてん)の言うように、この対立構図は初期キングダムの政と成蟜(せいきょう)による内乱と同じですね。

遷=成蟜
郭開=竭丞相
嘉太子=政
李牧=昌文君(信)

おまけに玉璽は郭開が抑えているところまで同じです。

郭開は、「人気も実力もある嘉と李牧を生かしておけない」と、2人の首を要求します。

この発言、暗に自分たちには人気も実力もないことを自虐的に捉えているように聞こえました。

意外と自分たちのことを客観的に見れていることに少し郭開を見直しました。

 

メンタル崩壊の嘉太子と挫ける李牧

邯鄲から脱出を図る嘉太子と李牧たち。

李牧がなんとか嘉太子に生き延びてもらおうと励ましていますが、嘉は放心状態で李牧の言葉を聞いているのかどうかも分からない様子。

5倍はいる追手と戦うために騎乗する李牧とカイネ。このような小隊規模で馬を並べて戦うのは雁門以来だと、懐かしそうにカイネに語りかける李牧の顔は、どこか達観の境地というか、遠い目をしている感じ。

そんな李牧たちに守られる嘉太子は、追手から逆賊と罵られると、泣いているかのように顔を手で覆い、ますますメンタルをえぐられています。

ショックなのはわかりますが、仮にも王様になろうとしていた人としてはメンタル弱すぎませんか。

修羅の道を歩むことも厭わない政の覚悟と比べると、周りが有能なだけで嘉太子が王位を継承していたとしても現時点では厳しかったと言わざるを得ません。

一行は数を半数以下にしながらもなんとか傅抵、舜水樹と合流し邯鄲を脱出。

邯鄲脱出後は、城外に出ていた邯鄲軍と待機していた馬南慈(ばなんじ)軍が交戦します。

そのまま馬南慈軍が盾となることでようやく李牧一行は知人が治める法紹という城にたどり着きます。

嘉太子をひとまず安全な城に送り届けた李牧たちは、嘉太子と別れて馬南慈軍のところに引き返します。

その夜営地で身も心も疲れ果てた李牧の姿がなんともいたたまれない。

この先の絶望的な未来しか待ち受けていない趙に対し、さすがの李牧も、「ちょっと疲れましたね」と、カイネに弱音を吐きます。

李牧が弱音を吐くのはおそらく初めてじゃないでしょうか。

顔の表情を見せない背中中心の描写が余計に物悲しさを醸し出しています。

そんな李牧にカイネは涙を流し、愛の告白かのようにずっと側にいると励まします。

これだけ見せられても李牧にこそ同情できたとしても、カイネには全く感情移入できません。

個人的にはこのタイミングで李牧とカイネの雁門回想を挟んでくれれば、ようやくカイネに感情移入できるような気がします。

ちなみに傅抵、舜水樹、馬南慈は今週も名前だけで姿は描かれませんでした。

というか644話で処刑されそうな李牧救出作戦を立案していたときの意味深な舜水樹の顔はなんだったのか。

まったく回収される気配もなく、普通に物語が進行しています。

 

647話予想:李牧は雁門で引きこもり

647話以降の予想ポイントとしては以下になります。

①秦趙最前線について
②李牧たちの今後

秦趙最前線について

今週の頁末によると、次週は最前線で動きがあるようです。

王位を遷が継ぐことになり荒れる趙に対し、秦は再び前線を上げようとしていることが蒙恬の口から説明されました。

秦としては当初の作戦通り、李牧がいないうちに攻めに出るんだろうなと思います。

ひとつ気になったのは、逃走した李牧らの盾となった馬南慈軍が交戦した邯鄲軍とは、先週645話で秦趙の前線に移動していた邯鄲王都軍と同じなのかどうかということ。

同じであれば、馬南慈軍と交戦中のため、秦としては手薄になった前線を攻めるチャンスになり、この機を王翦(おうせん)が見逃さないと考えます。

また、同じく645話で名前が出た平陽で史実通りに戦いが行われるのは現時点から2年後の紀元前234年。

その前年235年には呂不韋の死など、キングダム内でも触れるであろう史実ネタがあることを考えると、ひとまず対趙の最前線は詳細な戦闘描写までは描かれずに、ジワジワと秦が侵略する様子をサクッと紹介、もしくはこのまま膠着するのではないかと考えます。

そして、多少の時間経過を挟み秦国内の内政、各国の状況などの話が展開されて235年につながるのではないかと予想します。

 

李牧たちの今後

このまま遷一党と真正面からやり合っても個々の能力では勝っていたとしても戦力差がありすぎるのでひとまず自分たちの領地まで撤退、もしくは嘉太子を守るべく再び合流するのではと考えます。

雁門周辺が李牧の領地なのかは定かではありませんが、紀彗や司馬尚が自分の領地にいることを考えると、このまま中央に居続けるよりも一旦、地方に逃げた方が延命にはなりそうです。

李牧も雁門に引きこもると、三大天、三大天候補が全員地方にいることになり、以前、馬呈が言っていた、本物のバケモノは地方にいるんだよ、的な発言が後付けながら説得力を増すことになります。

また、次週の予告的に秦趙の前線についての内容になりそうなので、可能性はかなり低いと思いますが、個人的には李牧の雁門回想編を少し見たいと思いました。

仮に李牧の雁門時代の回想を挟むとすれば、このタイミングが割と適当だと思いますが、そうなるとますます本編の進捗が遅くなってしまうので、もどかしいところです。

信が李牧の再起を促すか

最後に、もうひとつ漫画的な視点からの考察予想です。

今回の話で、趙国の光となるはずだった嘉太子の王位復帰が絶望的な状況となり、雁門へ戻ることも示唆するほど挫ける李牧。

そんな李牧に再起を促すのが、敵ながら身を案じていた信になるのではと考えました。

信は、李牧が処刑されることを望まずに正々堂々と戦場で倒したいと思っており、

本編内でも趙国内の話になってからは度々、信の李牧に対する気持ちが描写されていました。

 

上記の①と②の考察予想と合わせて整理すると、

頁末予告通り647話は秦趙の前線での話に⇒そこで信と李牧が接触⇒李牧は信が将軍になったことを知る⇒信が李牧に対し、「お前は俺が戦場で倒す」的なことを宣言⇒李牧は信の言葉に奮起し、今後も敵として立ち塞がるため雁門へ戻り再起を図る

これなら敵同士でありながらもお互いを認め合う漫画的な熱い関係性を描写できることにくわえ、李牧処刑話が出てからの李牧に対する信の描写を昇華しつつ、李牧にとっても史実通り3年後に桓騎(かんき)を倒して活躍するためのきっかけとしてうまく物語的にまとまるのではと考えました。

原先生はきっと、李牧に再起を促すために、将軍になったばかりの信をすぐに趙最前線に投入したのではと考えます。

 

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

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