先に書いておくと、644話のタイトル『桃泉殿』は趙王愛用の風呂場の名前です。(笑)
趙王、死んじゃいましたね。
もともと病気か何かで体調が良くなく、いずれ死ぬ設定ではありましたが、描写的には明らかに毒殺っぽかったので黒幕がいるのでしょう。
そのあたり次回645話以降の予想を含め644話を振り返っていきたいと思います。
※当サイトでは、最新話までのキングダム本編と物語のベースとなる史記などの情報に基づき、
筆者の考察や予想を展開していきます。
ヤングジャンプ連載の最新話までの内容を含みますので、未読の方はネタバレにご注意ください。
郭開&趙王の際立つ悪役っぷり
郭開(かくかい)から明日、処刑されることを言い渡される李牧。
李牧は秦の侵攻から守る戦略と、カイネらに愚かな真似をしないようにと伝言を頼み、最後まで趙国と部下の身を案じ続けています。
その思いとは裏腹に先週の時点ですでに反乱のようなやり口で李牧救出に動いているカイネや舜水樹(しゅんすいじゅ)。
李牧の伝言を郭開と一緒に聞いていた王宮派っぽい人がそれぞれ扈輒(こちょう)と舜水樹に伝えようと思案しますが、郭開が阻止。
「郭開は全てをねじ曲げる」のナレーションがかなり効いていると思った矢先、場面が変わり悼襄王(とうじょうおう)のアップのコマにて、「趙王は最初から全てが歪んでいる」とナレーションが入ります。
元あるものをねじ曲げる郭開と、最初から歪んでねじ曲がっちゃってる趙王。
言葉が似合いすぎてこいつら2人とも悪役として最高にいい味を出してます。
そんな父王に対して、嘉太子が李牧の処刑を止めるよう涙を流しながら直談判しているところ。
嘉いわく、李牧に鄴を奪われた責任はあるにせよ、軍総司令のはく奪か宰相の退任が妥当だと主張します。
懸命な嘉に対し趙王は近くに寄せて抱き寄せます。
この時点で怪しさMAX、何かするんだろうなーと思ってたら、なんと嘉の右耳を噛みちぎりました。
病弱とは思えないほどの顎の力が尋常ではありません。
結局、嘉の説得も届かず、趙王は郭開を呼ぼうとしますが何やら思いとどまり、その前に英という書記官を呼ばせます。
カイネに感情移入できない
場面は変わり、鄴に着いたばかりの飛信隊が休む間もなく出陣の準備へ。
秦軍は明日李牧が処刑されそうなので邯鄲に攻め入るようです。
李牧の処刑に納得できてない信とカイネの後追いを心配する河了貂(かりょうてん)。
一方の舜水樹やカイネら李牧派の面々は、公開処刑の場で李牧を救出する作戦を立てます。
遼陽戦で負けて以降、どんどんと株を下げている舜水樹。
今のところ、列尾への兵糧ルート切り替え作戦を見破った出始めの頃が活躍のピークになってしまっているので、この先もう少し手強い存在として秦軍に立ちふさがってほしいと思います。
そんな舜水樹にカイネは先週に引き続き、自分を犠牲にしてでも李牧を助けると涙を流して訴えています。
先週も思ったのですが、そもそも本編で李牧とカイネの関係性の深さを表すエピソードが一切描かれていないためか、涙ながらに主君の救出を訴えてはいるものの、個人的には全然感情移入できません。
李牧に対してこれだけ強い思いがあるのですから、それを裏付ける何かしらのきっかけや出来事が過去にあったことは想像できるのですが、今のところは過去になんかあったんだろうなーと思う程度です。
このあたり今後のキングダムで語られることを期待したいと思います。
そうじゃなきゃカイネに魅力を感じないままになりそうです。
趙王の死
趙王はまた例の風呂場で少年らと入浴を楽しんでいます(笑)
趙王の登場シーンは玉座か風呂場かのどちらか2択のみ。
趙王自身も、天が自分に与えたものはこの風呂場と、目の前にいる少年らだけとおっしゃる始末。
そんな状況に半ば自暴自棄になりながら酒を飲みまくる趙王。
ドロりと注がれる酒と咳込みまくる趙王の描写に怪しい雰囲気が漂っております。
きょうは体調が優れないと、風呂から上がったところで心臓を押さえて倒れてしまいます。
急いで医師を呼ぶように少年らに命令しますが、少年らは反応なく死んだ目で趙王の苦しむ様子を見てクスっと笑っています。
どうやらこいつら、もしくはこいつらを裏で操ったやつが酒に毒をもったようです。
趙王が口から血を吐き、脱糞失禁しながら死んでしまったところで今週は終わり。
645話予想:趙王の死、黒幕は誰?
今回提示された645話以降の伏線となるネタは以下2点。
②趙王の死の原因、黒幕は?
①趙王は書記官を呼び出した目的
十中八九、遺書を書かせたと思います。
嘉太子の李牧釈放の直談判直後だったことを考えると、李牧に肩入れする嘉太子をこのまま次の王にさせることを懸念して、おそらく後継者の話、嘉太子を次の王にしない旨の内容だと思います。
②趙王の死の原因、黒幕は?
先が長くない病気持ちとされていた趙王ですが、今回の死の描写的には病死ではなく毒殺だろうなと思います。
では趙王に毒を盛った黒幕は誰か?
現在の登場人物だけで候補を絞ると、下記のいずれかでしょうか。
・舜水樹ら李牧派
・王宮内の嘉太子派閥
・郭開派閥
舜水樹たちだったら、王が死ぬことを前提とした李牧救出作戦を立てると思うのでこの線は無いと思います。ただし、カイネとのやりとりの最後に舜水樹の意味深なリアクション描写があったので、そこだけが少々気がかりです。
嘉太子本人が指示を出して部下に殺させた線は彼のキャラ描写上、無いと思われますが、部下が独断で実行した可能性はあり得ます。そんな気配に感づいた趙王が遺書に嘉太子の廃嫡を盛り込んでいた流れになるかもしれません。ただし、実行犯であろう風呂場の少年らとつながりを示唆する描写が無いのでこちらも微妙かな。
リアクション描写的には郭開らが王の暗殺を企てている様子は無かったので、この線は低いかなと。また、立場的にもこのタイミングで王を殺すメリットがありません。立場を守るなら趙王を殺すよりも対立するであろう嘉太子を殺した方がメリットがありそうです。
もう少し対象者の範囲を広げて未登場キャラも含めると、個人的には前回の記事でも書いた史実上で次の王となる幽繆王(ゆうぼくおう)の遷(せん)が有力候補と考えます。
遷が少年らを使って毒を盛った、もしくは実はこの少年らのうちの一人が遷で、自ら決行したと予想します。
そして、王暗殺の決行の引き金となったのは、趙王が書記官に書かせたであろう遺書にあると考えます。
遺書に、嘉ではなく遷を次の王にする、という内容が書かれたとすれば、この時点で用済みとなったから殺したと考えます。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。