約1ヵ月の休載を挟み、今週号から再開したキングダム。
作中で年単位の時間経過などはなく、鄴一帯の領土化の様子と論功行賞が描かれました。
そして、ついに李信将軍の誕生です。
元は下僕だった信の立身出世がキングダムの魅力のひとつでもあったので、山をひとつ登ったような達成感のようなものを感じる回でした。
では最新642話の考察と643話を予想していきたいと思います。
※当サイトでは、最新話までのキングダム本編と物語のベースとなる史記などの情報に基づき、
筆者の考察や予想を展開していきます。
ヤングジャンプ連載の最新話までの内容を含みますので、未読の方はネタバレにご注意ください。
鄴一帯の領土化と現在の戦況
冒頭、鄴一帯の新天地に向かう秦の人たちの流れが描かれています。
次の場面では蒙毅と河了貂が久しぶりに再会したところ。
朱海平原での戦いを労いつつ、ここからは2人による現在の鄴一帯の様子と戦況解説へ。
今回の戦で手に入れた鄴、遼陽、列尾を結んだ三角地帯の領土化を急速に進めていて、その規模は山陽東郡化の比ではないようですが、山陽のときと同じく李斯が派遣されて上手くまとめているようです。
前線には王翦、楊端和、桓騎の三将がそのまま駐留しており、気が抜けない状況が続いています。
一方の趙では未だに李牧が地下牢に閉じ込められているとのこと。
鄴攻めから5ヵ月経ったということですが、李牧は5ヵ月も牢屋に閉じ込められていることになります。
緊急事態宣言で2ヵ月自粛生活していただけでかなりきつかったですが、それよりも長い期間、大半の日本人よりも引きこもっている李牧、ボロボロの後ろ姿がなんとも悲しい……。
まだ処刑されていないの?と疑問に思いますが、腹心たちが抵抗しているためとのこと。
そもそも腹心たちに5ヵ月も処刑をストップさせられるほどの政治力があるなら処刑自体止められそうな気もしますが(笑)
また、ここで最新の国境線が分かる地図が登場します。
前回までに騰軍が一時的に戦線を離れて列尾の援護に向かったため、魏が山陽近くまで領土を取り返しているとのこと。
騰が少し離れただけで秦はかなり領土を削られたようですが、国境線に主力級の将軍がいないと簡単に領土を削られてしまうなんてあまりにも脆い気がしました。
人材の少ない他の国が秦に削られまくっているわけです。
論功行賞前に李信と政のふたりの時間
場面は変わり、先延ばしになっていた論功行賞です。
式典前に政から李信と声をかけられるも、まだその名前に慣れていない様子。
この場面を読んでいて、自分もまだ李信呼びに慣れていないことに気づかされました。
このあとの会話で政から再び名前で呼ばれますが、その時は信呼び。
やはり、こっちの方がしっくりくるというかなぜか安心感がありました(笑)
信と同様に読者もこれから徐々に李信の名前に馴染んでいくんだろうなあと思います。
論功行賞 李信将軍に
前線から帰還した王翦が第一功の特別大功に。
王翦は大将軍に昇格すると思っていたのですが、そのような描写はありませんでしたね。
結構な戦果だったのに、大将軍のハードル高すぎる。
楊端和、桓騎もほぼ同等の特別大功を授かります。
2人は前線に残ったままで、代理でバジオウと摩論が出席しています。
バジオウが楊端和と同じ虎柄のスカーフ?みたいなものを首下から胸あたりに身に着けていましたが、これは山の民の正装みたいなものなんでしょうか。
一方で久しぶりに前線から離れられた摩論は、10日くらいは羽を伸ばそうと思案中(笑)
泊りの出張で羽を伸ばすサラリーマンのような思考の摩論が一番人間味があるような気がします。
そして、第一等の特別功として王賁、蒙恬、李信の3人の名前が呼ばれます。
・蒙恬…左翼の将として紀彗軍を封じ込めた影の立役者として勝利に貢献
・王賁…右翼で奮戦、趙軍最強の尭雲を討ち取る
・李信…玉鳳と両輪の活躍、岳嬰、趙我龍、龐煖を討ち取る
李信の戦績を読み上げている人も途中で涙をこぼしているところが印象的です。
特に龐煖のことを王騎、麃公、摎を討ち取った秦国の仇敵と紹介し、それを李信が成敗したと発表したところは、秦国としてもこれまでの因縁に終止符が打たれたカタルシスのような瞬間で、読んでいた自分も込み上げてくるものがありました。
そして3人は晴れて将軍に任命されます。
この発表は河了貂を通じて何人かの中継役を挟み、リレー方式で外に待機していた飛信隊にも伝わります。
ほぼみんな鼻水流しながら泣いている顔だったのに対し、式典に参列することが許されていた副長のうち、渕さんの隣で下を向いて泣いていた楚水副長の姿にグッときました。
また、泣き顔の周りとは対照的に、落ち着いていてどこか晴れやかな澄んだ表情の李信と政が印象的でした。
ちなみにロゾを討ち取ったのに壁には何もありませんでした。
兵糧焼かれた責任で帳消しになったということにしておきましょう(笑)
643話 予想:飛信隊の整理と姜瘣の容態は
頁末の予告によると、次回は信が咸陽を出発するところから展開されるようです。
一瞬、もう戦地に戻るのか?と思ったのですが、咸陽を離れるだけかもしれないので、次回643話以降も引き続き国内での内容になるかと思います。
気になるのは姜瘣です。
前回641話では寝込んだまま食事する姿、今回642話では一コマも出てこなかったので、相当ダメージが残っているのではと心配になります。
643話では姜瘣の容態について描かれることを期待するとともに、将軍になった李信率いる飛信隊の整理などがあるかもしれません。
そもそも、姜瘣然り、亜花錦然り、金毛を討ち取った弓矢の淡然り、将軍や隊長以下の功績についての昇格なんかは今回一切描かれなかったので、次回以降さらっと触れられる可能性はあるかなと考えます。
また、今回の将軍昇格で当の本人である李信の心情がほぼ描かれていなかったので、このあたりを深堀することに付随して、例えば漂への墓参り的な報告のほか、政や昌文君、壁もしくは蒙恬、王賁などとの絡みがあると予想します。
さらに次回以降に起こりうる展開として呂不韋の死が描かれるかもしれません。
それについては以前書いたこちらの記事にまとめています。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。